| ■中小企業の省エネ事例紹介 | |||||||
−湯河原町とボランティア有志− ![]() H10年「地球温暖化防止対策」の推進に関する法律が公布・施行され、温暖化防止対策に関する国、地方公共団体、事業者及び国民それぞれの責務が定められた。 地方公共団体の責務などについては温室効果ガスの排出抑制などの具体的施策を推進する事。 また21条に於いては、これらの排出抑制のための実施計画(京都議定書達成工定表)の策定及び公表が義務付けられた。 そこで、湯河原町は「湯河原町地球温暖化対策実行計画」を作成し、トップダウンで行政及び施設関係者、地球温暖化防止活動推進員など町ぐるみが連携を取り、投資0円で機器の無駄な運転を排除し、ロスの極小化を図ることで使用機器の運転効率向上を目指した活動を行った。 これらの結果、エネルギー消費量の大きな焼却炉【湯河原町真鶴町衛生組合湯河原美化センター】に於いては、単年度電力60万kwh(年間使用量の25%)、灯油54,000L(年間使用量の55%)、CO2削減量では370t/年迄削減の見通しが得られた。 ![]() ★具体的な活動内容(町長のトップダウンで行動) 1:投資は0円(原則的):外部からの補助金0円、全員参加(ボランティア)で活動し外部のパワーを最大限活用する。 施策等の現状調査と分析に於いては、東電、関東電気保安協会への協力依頼。 具体的な省エネ実行案の作成と実施には工場等現場経験が豊富な第一種エネルギー管理工場エネルギー管理 功労者、省エネ普及指導員らがエネルギーの入り口から出口まで運転管理等をデータベースで検証し反映させた。 2.発想の転換:エネルギー使用者側での節減運動(注)やパフォーマンス、スローガン等の活動から脱却しエネルギー 供給サイドのエネルギーマネジメントを展開する。 即ち削減目標値の数値化と責任及び権限の明確化である。 3:エネルギー効率の向上 情報公開の徹底 エネルギー使用量、料金、機器運転点検表(記録)を公表する。 運転条件の見直し ボイラー、冷凍機器等に於いては供給温度等が最適であるか。流量は適切であるか。ポンプ、送 風機は性能曲線上最適効率で運転されているかを検証する。 ![]() ![]() ★活動の効果・社会への波及効果 ・町長以下役場職員、施設関係者(オペレーター含む)、東京電力(株)、関東電気保安協会、省エネルギーセンター(普 及指導員)、温暖化防止活動推進員、商工会議所、NPO法人かながわアジェンダ推進センター等、350〜400 名がこの省エネ行動に協力し、意識が高まった。 ・CO2削減量(t):対前年比(H20年度)282t(ゴミ63t含む) ・エネルギーコスト削減額:対前年比(H20年度)\31,446,216 ・投資額:デマンド監視装置6ヶ所×3万円=18万円 ・湯河原町環境施設が例外ではなく、他の市町村もほぼ同様、町長のトップダウンの下に徹底した情報開示を行い、市 民、行政、民間等が信頼関係を構築し、数値目標を設定しベクトルを廻せば更に大きな効果が期待できる。 ★今後の展望 ・京都議定書約束期間のH18〜22年度(5年間)の目標達成に向けてさらに努力する。 ・現在の施策を継続すると共にゴミの削減(投資0円)を、本格的に取り組みたい。
−株式会社 ワイ・デー・ケー メカトロニクス東京事業所− 1.事業所の紹介 株式会社 ワイ・デー・ケー(略称:YDK)メカトロニクス東京事業所(略称:YDK東京事業所・神奈川県川崎市)は 東京都稲城市に本社を置き、精密機械加工部品の製造をはじめ、ウェハー搬送制御装置から、FA関連装置、 半導体製造関連装置、液晶製造関連装置の設計製造の受託を行っています。 同所は取扱製品の品質維持のためにクリーンルームにて製造を行っています。 クリーンルームが同所の最大の省エネルギー対象です。 ![]() 2.省エネの取組み 1)歴史 ISO14001の認証活動を機に、ISO14001の手法を活用した、省エネ活動を推進しました。蓄積した、省エネ手法を活かし、 事業所の稼働開始(2005年12月)当初より、省エネ活動を推進しています。 2)体制 YDK東京事業所の省エネの取組みはISO14001のマネジメントシステムを活用した「省エネ委員会」を中心に省エネに 取組んでいます。 3)掲示 省エネの取組み状況は、社員の皆さんに良く解るように、YDK東京事業所内の食堂に掲示しています。 3.省エネ活動 1)目的 YDK東京事業所は、従来から有している知的資源を生かし、電子機器の設計と製造活動を通じて サステイナブル(持続可能)な工場の実現に向けて、YDK東京事業所省エネプロジェクトとして YDK内にて先導的な試みを実践することによって、サステイナブルな社会の実現への歩みを続けています。 その中で、今日の地球温暖化問題への対応の緊急性、困難性とYDK東京事業所がグループの先導的役割を 果たす必要性の高さから、温室効果ガス排出削減による低炭素工場作りを当面の最優先課題として取組んでいます。 この取組みを通して、サステイナブルな低炭素社会を目指すYDK社内のモデルケース工場として実現し、 社内のネットワークを通じてYDKの各工場に展開し、低炭素社会実現に向けて経済的な波及効果をもたらすことをめざしています。 2)省エネ概要 本事業では、YDK東京事業所省エネプロジェクトの一環として、YDK東京事業所の工場において、クリーンルーム (クラス10,000、593m2、天井高8.5m)の温室効果ガス排出量の削減です。 空調機システムの給気ファン(SF-1-1)にインバータを取付けにより、インバータ制御とそれに伴う、 循環流量の低減、空調機の負荷の低減により、CO2 削減効果を持つ省エネルギー対策を行っています。(2010年6月 取付け工事完了) クリーンルーム及びクリーンルームシステムを示します。 ![]() 4.成果 1)電気使用量削減効果 電気使用量の推移を2007年8月以降の省エネ活動に合わせ表示しています。 省エネ活動の効果により電気使用量がピーク時の半分になっています。 ![]() 2)国内クレジット 2011年5月にクリーンルームシステムにて国内クレジット認証委員会より国内クレジット制度排出削減事業承認を受けました。 3)カーボン・オフセット 2011年5月に1Fから3Fまでの各階の窓にウインドウフイルムを貼り国連認証済み排出権に寄与し住友スリーエム株式会社より カーボン・オフセット認証ウインドウフイルム証書を授与されました。 ![]() 5.効果 1)顧客 顧客は低炭素への改善に努力し、その成果を上げている企業との認識を持ち、当社は高く評価されています。 2)従業員 省エネ意識の向上、環境負荷低減への意欲が向上しています。 6.今後の取組み 省エネによるコストダウン、顧客満足、従業員の意識向上の三者とも満足していますが、更なる省エネに取組みます。 また、省エネすなわち省電力により電気料金の値上げへの対応策として期待しています。 株式会社ワイ・デー・ケー メカトロニクスカンパニーのHPは次の通りです。 http://www.ydkmec.com/pc/
神奈川県内には、メッキ工業組合に加入しているめっき企業は、最盛期の約1/3に減ってはいるが、68社ある。 2011/12から2012/1にかけて代表的と思われる企業を6社訪問し、省エネの現状を概観した。 平均的には、大企業の現状に比べて遅れている印象を強く持ったが、しかし、先進の取り組み例が数件はあった。 ここではそれらを紹介する。 先ず、めっき工場のエネルギー消費の場所は以下の図に表わされ、図中の矢印/○番号が、紹介する例に該当する。
−川崎市中原区上丸子 (株)T社− 典型的な旧来型めっき工場で、鉄鋼部品の防錆めっき(亜鉛、銅、ニッケルめっき)、アルミ合金部品の化成皮膜処理が中心で、通信機メーカー、総合電機メーカーが主たる受注先である。 @:インバーター導入による回転制御の省エネ めっき工場では、例外なく処理槽から有害ガス、蒸気を発生するので局部排気装置と有害成分を除くためのスクラバーを動かしている。 ここでは、局部排気装置のファン動力は11kW、スクラバーの動力は1.5kW、合計12.5kWの電力を消費する。 運転状況は、日中の工場稼働時は、フル運転で、昼、夜間の設備休止中は、1/10程度に能力を下げた運転で済ませるのが理想であるが、1/10程度での減速運転を行う機能(制御回路)が無かったために、24hr連続のフル運転を行っていた。 2010年中頃に、この無駄を排除すべく、ファンの回転制御の切り札となるインバーター装置を導入し、大幅な回転速度低減(概ね1/3に)を可能としている。 ところが、一旦はこの省エネ運転を開始したが、予想外の伏兵が現れ、休止状態となっていた。 伏兵とは、近接住民との騒音問題が起こってしまったのである。 気付いてみると周りに住宅が立ち並んだという経緯があるにしても、休止せざるを得なかったのである。 折角、大型投資であり、活かす手立てがないものか、応援したい気持ちを伝えた。 A:工場の天井照明を水銀灯からLEDに切り替える省エネ 2010.8と2011.9の二段階に切り替えを実施している。 2010.8:水銀灯(315W), 13基をLED(バレンズ社:72W)に切り替え。 実施してみて、期待より暗く、更にLED(12W)を追加補充して対応。 全体照明としてみると、暗くなった印象とのことであるが、我慢している現状にある。 指向性の強いのがLEDで、その特徴がそのまま出ている印象。 2011.9:水銀灯(315W), 15基をLED(アイリス・オーヤマ梶F165W)に切り替え。 水銀灯と比較し、明るさは同等かそれ以上で申し分ないとのこと。 以上については、先取の気概が感じられる。 もう一歩進んで、金目の計算もされるとより確かな運営となるところである。 −横浜市金沢区福浦 (株)N電気工業− B:排水リサイクルシステムの完全実施 半導体、電子部品の製造加工で、めっきが中心であるが、伸線圧延加工も行う。 フープ材、リードフレームの連続めっきライン、バッチラインで、貴金属めっき、その下地の銅、ニッケル、無電解ニッケルめっき浴等を有している。 典型的な電子部品のめっき工場であり、スーパー・クリーンルームこそはないが、半導体工場に似た造りの工場である。 各工程での水洗も特に入念に行うために大量の用水を必要とすることと、貴金属回収の必要性から、イオン交換樹脂/活性炭の組み合わせからなるリサイクルシステムを導入している。 能力は、50m3/hr。 仮に、リサイクルなしの場合の水道料金を概算すると例えば、負荷率80%の時、 (40m3/hr ×10hr/日×220日/年)×400\/m3 = 35,000,000\/年の高額となる。 水道の節約分だけでこの経費削減が出来る。 この手法は、大いに横展開して普及させたい所である。
−川崎市幸区小倉 M精密工業(株)− 主にプレス加工による部品加工、その後の組み立て、検査を経て精密部品を製造している。 又、プレス金型の設計も自社で行っている。 主たる受注先は、ソニー、キャノン、日本タイプライター等である。 受電電圧:6kV、契約電力は、216kW 過去一年の電力消費は、21,000 ~ 35,000kWh/月 過去一年間の電力負荷率は70% 受電点の力率:99.5% 診断の結果、省エネのための改善ポイントは、以下の4点あった。 1.大型コンプレッサーの省エネ 2.照明の省エネ 3.溶剤洗浄装置の省エネ 4.空調の省エネ ここでは、効果の大きかった1、4項の省エネ診断結果を紹介する。 1.大型コンプレッサーの適正規模化による省エネ 現在45kWのコンプレッサー1台で、全ての駆動用エアーを賄っている。 オイルフィルター(冷却)、局排を含めると48kWにもなる。 工場の最盛期の需要に見合う容量があるが、現在はこの容量の1/3程度しか需要がない。 コンプレッサーは、エアタンクも無く、ロードアンロードも無く、2/3を無駄にしているのが問題。 改善策として 1−1.現状に見合った容量の小型コンプレッサー(含むエアタンク、インバーター制御)に置き換えることで省エネを計る。 日立産機からの見積もりが、3/25頃に得られる予定。 工場側の事情があって、計画が遅れているが、これは、今回の目玉だから、しっかり進めるよう要望した。 1−2.別法として、インバーターの導入 今のコンプレッサーはそのままにして、インバーター、エアタンクを追加したシステムとし、適宜、必要空気量に見合う様に、コンプレッサー回転数を制御し省エネを計る。 必要空気量が1/3で済むなら、モーター回転数は1/3で済み、出力は(1/3)3、即ち1/9で済む計算である。 概ね、年間の省エネ量は、以下のように見積もられる。 48kWが、(6 +3)kWに縮小できる。 年間稼働時間を、200×12 = 2,400hr 電力単価を12\/kWhとすると、 (48 - 9)×2,400×12 = 1,123,200 約112万円/年である。 更に、契約電力の削減も可能となる。 (48 - 9)×1200×12 = 561,600 約56万円である。 合計:168万円/年の電力経費が削減できる。 小型化、インバーターの何れにしろ、導入費を見積もり、経済計算して、導入可否を決めることになる。 2.空調の省エネ 月間消費電力のバラつきの原因が、明らかに空調稼働状況によるものであった。 設備投資をしないで、運転の工夫次第で、契約電力を減らすためのピークシフトすることに是非取り組まれたいとした。 今回の東北・関東大震災で東電が実施している計画停電の手法を真似ればよい。 ここでの空調は、生産活動に直結するクリーンルームというものではなく、従業員の快適性を犠牲にするもので、会社としての高い一体感が前提にある。 ここに、省エネの意義を改めて認識させるに、当方の行った省エネセミナー(第1回:省エネのプロローグ)を役立てて頂きたいとした。 因みに、エアコンは、設置台数:23基、設備能力(消費定格電力:157kW)であり、今回のピークシフトの対象機は、稼働時間が長く、出力の大きい数台に限られよう。 計画節電により、仮に、40kW分のピークシフトができれば、契約電力費だけで、40kW×1,200\/kW×12 月/年= 576,000\/年 57万円/年の経費節減が出来る。 1,200\/kW:契約料金単価 実際には、更に設定温度の抑制による節電も可能となる。
−NECネクサスソリューション(株)− 最近(2012年1月)、コンピュータシステム・SaaS(クラウド)技術の発展、普及によりSaaS(クラウド)は省エネルギー、及び災害時に自社のコンピュータの被災時のBCP(事業継続計画)に役に立ちます。 今回は、省エネのメリットを市販ソフト(勘定奉行)を例に分かり易くするためにコストにて表します。 神奈川県地球温暖化防止活動推進センターにても相談を受付けます。 ![]()
−山武ビルシステムカンパニー(横浜支店)− 制御機器メーカーの「山武ビルシステムカンパニー横浜支店」では、社員ぐるみでエコ活動に取り組んでいる。 来春までに環境社会検定試験(eco検定)合格者が社員の約9割になる見込みで、環境への高い意識は、各社員の家族にまで浸透している。 同社は、建物の環境制御などによる省エネルギーや新エネルギーの普及促進を業務としている。 2009年から「eco検定」の受験を呼び掛け、業務柄、環境への意識が高い社員たちが自主的に受験。 支店の全社員125人のうち、合格者は10年夏で98人に達した。 ![]() 検定をきっかけに、今春には社内にエコ委員会を創設し、秋から本格的にエコ活動をスタート。 @ペットボトルのキャップ回収 A環境に関する施設や展示会の見学 Beco検定受験者の体験記の共有 C「かながわグリーンエコWAON」の全社員利用 (利用額の一部が県の環境教育に寄付されるイオンの電子マネー) 〜など、社員からの意見も採用しながら活動を継続している。 エコ委員長の渡邊さんは「検定の受験勉強によって環境問題に関する世の中の流れを捉え、顧客にもより詳しく説明でき、仕事に有効だった。家庭でも小学生の息子と積極的にゴミの分別を行うようになった」と話す。 杉原支店長は「進めているのは、負荷がかからず自然に出来るエコ活動。引き続き社員からいろいろな提案をして欲しい」。 ストイックだったり、強制になったりしないことが継続の秘訣だ。 今後、各社員が持ち寄った不用の新品で社内オークヨンを行い、落札額を県内の環境団体へ寄付するといった取り組みも計画している。(神奈川新聞 平成23年12月27日) |


























